「アタシこのパイ嫌いなのよね」2

及川進

見習い魔女もとい見習いケアマネの野村さんの投稿を見て、ハッと気づいたことを書きたいと思います。 野村さんネタありがとう(^^ ちなみに僕も魔女宅が大好きで、2代目の黒うさぎちゃんの名前は黒ネコのジジ由来のジジちゃん。 サムネイルの写真は3代目の黒うさぎのピノちゃんです。これで花とうさぎが好きな事がばれてしまいました。 さてさて、話を戻してハッと気が付いたことに。 それはサービスに対する会社の考え方。 スタッフの考え方。 マネジメントの考え方。 運営の考え方。 当然に良いサービスを提供して、ご利用者さま、ご家族さま、関係者さま、はたまた、共に働く仲間に満足してもらいたいと思っているはず。 現に自分もそのように思っていて、日々良いサービスとはと自問自答しています。 この魔女の宅急便の女の子。劇中では「感じ悪い人だなぁ」と思った人もかなりいると思います。 映画の背景は、優しい?優しそうな?おばあちゃんが、孫娘の為に自分の得意なニシンのパイを作って、キキにお願いして届けようと思ったけど、オーブンが壊れて作れなかった。 キキはおばあちゃんの気持ちを汲んで薪窯で作りますと提案し、時間ギリギリまでかかり、しかも雨ざぁざぁの中、人生初のパーティに参加したいウキウキの気持ちの中、届けに行ったニシンのパイのシーン。 そして発せられた言葉がこれ「アタシこのパイ嫌いなんだよね」。 これについて色々調べてみると監督の宮崎駿先生はこんなコメントしています。

老婦人のパイを届けた時に、女の子から冷たくあしらわれてしまうわけですけど、宅急便の仕事をするというのは、ああいう目にあうことなんですから。特にひどい目にあったわけじゃあなくてね、ああいうことを経験するのが仕事なんです。 僕はそう思いますし、キキはあそこで自分の甘さを思い知らされたんです。当然、感謝してくれるだろうと思い込んでいたのが……。違うんですよ。お金をもらったから運ばなきゃいけないんです。もし、そこでいい人に出会えたなら、それは幸せなことだと思わなくちゃ……。別に、映画ではそこまでは言ってませんけどね(笑)。僕らだって宅急便のおじさんが来た時に「大変ですねぇ、まあ上がってお茶でもどうぞ」なんて、いちいち言わないじゃないですか(笑)。ハンコをわたして、どうもご苦労さん、それで終わりでしょ。」 ――でも、女の子の宅急便やさんなら、違うと思いますけど。 「いやぁ、同じですよ。だから、僕はあのパーティの女の子が出てきた時のしゃべり方が気に入ってますけどね。あれは嘘をついていない、正直な言い方ですよ。本当にいやなんですよ、要らないっていうのに、またおばあちゃんが料理を送ってきて、みたいな。ああいうことは世間にはよくあることでしょ。それがあの場合、キキにとってはショッキングで、すごくダメージになることかもしれないけど、そうやって呑み下していかなければいけないことも、この世の中にはいっぱいあるわけですから。」 ジブリの教科書5 魔女の宅急便(文春ジブリ文庫)より
  ここで思う事はサービス提供者の考えと受け手にはギャップがあるという事。 良かれと思ってやっているのにそう思われていないこともあるかもという事。 このシーンではハッキリと女の子は言ってくれているけど、言えない人もいるという事。 色んな事が考えられます。 ニシンのパイの例に倣ってもう1つ。 日本ナンバー1の旅館のお話。 石川県の加賀屋。 人気旅館ランキングで​1​位常連の旅館です。 ここでクイズ。 客室に通されてから​1​時間のうち、仲居さんは何回部屋に入ってきたと思いますか? (僕は1​回も入ってきてほしくないのですが・・・)   【正解はなんと​8​回】 どうでしょう?みなさんどのように感じますか? ​例えるなら映画館でお金を払って映画を見ているのに7​分に​1​回コマーシャルが入るような話です。 加賀谷さんはお客さんに嫌な思いをさせようと思ってやっていたと思いますか? むしろ逆だと思います。お客さんを喜ばせようと思った結果が​8​回部屋に訪れるということに なったわけです。これは潰れた旅館の話だと思いますが、 日本ナンバー1の旅館のつい数年前の話。 何故このようなことになってしまったのでしょうか? 「できるだけお部屋に伺って、お茶を差し上げなさい」という加賀屋さんの創業以来、大切な価値観に全て由来していたそうです。この価値観をそのままにもっともっとと考えて、改善をした結果が気がついたら​8 回の訪問になっていたわけです。改善というのは往々にして自己満足的になってしまいます。
参考日経ビジネス2018年1月19日「日本最高峰の旅館はなぜ自問自答するのか 接客サービスの棚卸が始まった」
わたし達のサービスも日々点検を入れていくことが大事だと思いました。 野村さん、僕に気づきをありがとう! 長々と失礼いたしました。 野村さんと張り合って、うちのキキちゃんの写真を。 これは厚別支店改装中に長女が遊んでいたところのパシャリ一枚。 さてさて、運営マネジメントについて書いてみたので次回は「情熱がなくなりそうなとき」をタイトルに最近のハッとしたことを書きたいとメモ書きを残しときます。 書くのかな(笑) byおいかわすすむ]]>

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